久しぶりに昔の同僚のA子から連絡がありました。
A子の同僚のB子が、結婚生活のことで悩んでいるから相談にのって欲しい、とのことでした。
いしだたかこは、もちろんB子のこともよく知った仲なので、二つ返事で引き受けました。
ほどなくしてB子から連絡があり、B子の話を聴き、必要なアドバイスをして別れました。
B子と別れたあと、すぐにA子からもお礼の電話がありました。
そしてA子は不思議そうにいしだに尋ねて来ました。
「いったいB子にどんな魔法をかけたの?
私と話をしていたときにはB子はもう死にそうなくらい暗かったのに、(いしだとの)相談が終わった後、別人みたいに元気になってた。
聞いている自分のほうがしんどくなって、私は最後までB子の話を聞けなかったのよ」
つまり最初はA子は親身になってB子の相談にのっていたけれど、話を聞く内にしんどくなって、いしだたかこに依頼してきたということでした。
ここが「身近な人への相談」と「プロのカウンセラーへの相談」の大きな違いなのです。
人の話を聞き続けるというのは思ったよりエネルギーが必要で、集中力の持続が欠かせません。
話を聞きながら同時に、頭の中で類似事例を参照したり、矛盾点や疑問点を整理したり、知識を呼び起こしたりしながら適切なタイミングで相手に必要事項を伝えていきます。
何より大切なのが、話し手に安心して話してもらうということです。
これを経験を積んでいない人がするのは、A子だけでなく大変なことでしょう。
もし身近な人が相談に来られたら、まずお話しを最後までしっかりと聞いてあげてください。
もしそれが出来なくなった時には、遠慮なく専門家にお任せ下さい。