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  1. ご相談事例
 

ご相談事例

離婚に関するお問合せや、ご相談事例をわかりやすくまとめてあります。

なお、文中の登場人物の名前、年齢、職業は事実とは異なります。

40歳代後半のK氏と、30歳代の妻は年の差カップルです。
新婚当初、K氏は妻から大人の男としてリスペクトされていました。
しかし結婚10年目を迎える最近では妻が不機嫌でいることも多く、K氏が妻のご機嫌を取ることが増えてきました。

妻からの良い反応がなく、セックスレス気味になっていることも気がかりです。
そこで会話のきっかけを作ろうと、スキンシップを図ってみるのですが上手くいきません。
K氏の意図を理解しているはずなのに、妻はそれを無視したり、イラついた様子を見せるとのこと。

K氏のお話を聞く限りでは、妻はK氏を嫌っているわけではないようです。
でもK氏のスキンシップは避けている、ということは…。
そう、スキンシップの方法が不適切なんです!

女性にとって「不快なスキンシップ」というものがあります。
通り過ぎざまに無言でサッとお尻やバスト、背中を触られることなどがそうです。

もしやと思ってK氏に尋ねてみると、案の定…でした。
「トイレに立つついでに、キッチンで洗いものしてる妻のお尻を触りながら通ったことがあります。
 いやぁ、会話のきっかけになるかなと思ったのですが、見事に無視されてました」
K氏が照れながら話す様子では「不快なスキンシップ」の常習犯であることがうかがえます。

通り過ぎざまのボディタッチと言うことは、妻が振り返ったときに夫は既に背中を向けて立ち去るところです。
妻からしてみれば、何か用があってタッチしたはずのに、なぜ妻からのリアクションを待たない?となります。
これは子供のいたずらのピンポンダッシュと同じで、された方はからかわれたとしか感じず、非常に腹立たしい思いをします。

また、電車の中の痴漢行為や水商売女性へのオサワリを連想させますので、相手へのリスペクトを感じません。
「通り過ぎざま」や「ついで」に片手でボディタッチして、そこに愛情を感じ取れというのは単なる手抜きです。


【妻へのスキンシップ いしだのアドバイス】
①両手で妻の身体(肩がベスト)をホールドするように手を置き、触れた手はしばらく動かさない(撫でない!)
②触れた手を妻が嫌がらないようであれば撫でてもよいが、撫でる方向は体の側面から体の中心に向かって撫でること
 ※お尻やバストを外側に撫でるのは体勢が不安定になるので不快感を与えますが、内側に撫でるのは包み込むような安心感をもたらします
③妻が嫌がったら、すぐに、そして爽やかに離れる
④片手で撫でるのは単なるオサワリなのでしないこと ← 軽蔑されるだけです


ちなみにこの後、K氏は花束を買って帰ったら、いつもの可愛い妻に戻ったそうです。


年の差カップルの特徴に潜む「夫婦の危機」についてシリーズの第4弾です。
年の差にもいろいろと定義はありますが、夫婦の年齢差が10歳前後またはそれ以上(男性の方が年上)のカップルについてお話します。

妻の親と夫の関係が微妙、岳父から見て夫は義理の息子かライバルか⁉

夫婦に年齢差があるということは、妻の親と夫の年齢が近いということです。

妻の親は婿に対して、義理の息子として寛容に接しようという気持ちより、ライバル意識や競争心が全面に出てしまう場合もあります。
夫は妻の親からの目は厳しくなる傾向があると心得ておいた方がよいでしょう。
妻の親は自分たちと同じように娘(=妻)を十分にいたわってやって欲しいと望んでいますから、その心情を汲み取って妻の親に接することが求められます。

家族観や夫婦観は同じ年代であっても、男性と女性では一世代分のズレがあります。
戦後の高度経済成長期以降、女の子は新しい時代についていけるように育てられることが増えたのに比べ、男の子は「男子たるもの〜」、「男の子なんだから〜」などと言う表現そのままに、伝統的な価値観で育てられることが多いのです。

この性別に関する社会的規範をジェンダーといいます。
夫婦が危機に直面したとき、性格や価値観の相違というよりジェンダーギャップ(その社会における男女格差)が根底にあることも多いのです。

このジェンダーギャップは地域や時代または世代によっても「標準」が異なります。
意見の相違が生じたとき、家族のメンバーの一人一人の個性にだけ焦点を当てると対立を生んでしまいますので、メンバーが持っている男女観にまで目を向けると、解決の糸口も見つかるかもしれません。
親世代と子世代の年齢差が微妙な場合は、デリケートな配慮も必要です。

どうしてよいのか分からなくなった時には、遠慮なくキ・セ・キ相談室をご利用ください。

カウンセラーいしだたかこが、心を込めてアドバイスさせて頂きます。


年の差カップルの特徴に潜む「夫婦の危機」についてシリーズの第3弾です。
年の差にもいろいろと定義はありますが、夫婦の年齢差が10歳前後またはそれ以上(男性の方が年上)のカップルについてお話します。

年齢差によってカムフラージュされる双方の欠点、厄介な≪年齢差バイアス≫

夫が命令的なのは自分より年上だからだろう、妻が未熟に見えるのは自分より年下だからだろう…
欠点にもなりうる性格上の個性が、年齢差があることによって見えづらくなります。

人はものごとを自分に都合よく捉える傾向があります。
これは一種の先入観、偏向性によりバイアスがかかっている状態です。

結婚した当初は気にならなくても、時間の経過とともにこのような年齢差バイアスがなくなってきます。
子どもの誕生などの家族イベントがきっかけとなって、パートナーのむき出しの個性に気付くようになります。
命令的なんじゃなくてただ命令しているだけだった、未熟に見えるのではなくて幼稚なだけだった、なんてことに気付くのです。

年齢差バイアスがなくなったとたん「こんな人とは思わなかった、自分は騙された!」なんて怒っても、パートナー(の個性)は変わっていないのです。
変わったのはあなたがパートナーを見る目が変わったのです。
優しさと優柔不断が表裏一体であるように、人の個性は相手や状況によって長所にも短所にもなります。

今や欠点にしか見えなくなってしまったパートナーの個性も、一時は長所であったはず。
今こそ曇りのない目でパートナーを見て、どのように良好な関係性を築いていくかを検討すべきです。
年齢差バイアスと入れ替わりに自分は被害者バイアスに陥らないようにしてくださいね。

どうしてよいのか分からなくなった時には、遠慮なくキ・セ・キ相談室をご利用ください。

カウンセラーいしだたかこが、心を込めてアドバイスさせて頂きます。


年の差カップルの特徴に潜む「夫婦の危機」についてシリーズの第2弾です。

年の差にもいろいろと定義はありますが、夫婦の年齢差が10歳前後またはそれ以上(男性の方が年上)のカップルについてお話します。

体力の差は年齢差と比例する!

当然ですが若い方が体力はありますから、気力や好奇心も旺盛です。
休日ともなれば若い妻はショッピングやレジャーなどアクティブに行動したがるでしょうし、子供がまだ小さければ、キャンプやスポーツなどに付き添う機会もあるでしょう。
しかし年齢が上の夫は、アクティブに過ごす経験はすでにしてきたので、体力を温存して自宅でのんびり過ごしたいと思うようになります。

お互いが「一緒に感動を分かち合いたい」「一緒にいる時間を大切にしたい」と思っていても、感動できる事柄の違いや、時間の使い方の優先順位の違いが、いつの間にか「価値観の違い」にすり替わってしまうおそれがあります。
どちらかが我慢して一緒に行動をするのも、いつか無理が生じます。

休日に別々の過ごし方をしても上手くいく夫婦関係のコツはあるでしょうか。
あります、それは「感情を共有する」ことです。

例えば夫は、妻が女友達と食事に出かけて帰ってきたら、女友達とどんな会話で盛り上がったが、どこに行って何を食べてきたか、妻の話を聞いて一緒に楽しんであげることです。
そして妻は、夫が自宅で見たDVDの感想に耳を傾けてあげたり、腰の痛みを訴えたら心配してあげるのです。
パートナーが抱いている喜怒哀楽の感情を理解して共有するのです。

平たく言えば、パートナーに話をしやすい雰囲気を作ってあげるのです。
ただしパートナーが話している間、決して自分の意見をはさんで会話を終了させてはいけません。
これならばどちらかが犠牲になって同一行動をしなくても済みます。

もうひとつ、性生活という厄介な問題もあります。
それは妻の性欲に夫の体力・気力が追いつかなくなることです。

性欲には個人差があるとは言うものの、セックスレスや自尊心とも直結するナイーブな問題です。
デリカシーのない拒絶や発言がパートナーを傷つけることがあります。
性交渉が上手くいかなくても、相手のせいにしないことが重要です。


年の差カップルの特徴に潜む「夫婦の危機」についてシリーズでご紹介していきます。

年の差にもいろいろと定義はありますが、夫婦の年齢差が10歳前後またはそれ以上(男性の方が年上)のカップルについてお話します。

なんといっても性別的役割分業が固定されやすい!

結婚時において年齢的に男性が役職についていることも多く、夫と妻の収入格差が大きいことが特徴的です。
夫の経済力と年齢から、結婚後早めに子供を持つことが多いようです。
必然的に子供ができたら収入の少ない妻が家事・育児を引き受け、収入の多い夫は仕事が中心の生活になります。

この収入の差による性別的役割分業が温床となって、夫婦の間に上下関係が生じます。

これはじわじわと妻に不満が蓄積されていくパターンです。
エンドレスに発生する家事や生活の細々としたことを、誰からも評価されずにこなしていくことは虚しさを感じるものです。
そこに夫の口から「誰のおかげで生活できると思っているんだ」という発言が飛び出すと離婚の潜在的危機度は一気に上昇します。

ではどんなことに気をつけたら良いのでしょうか。

特に夫は、家庭内における収入の差は人格や能力の差を示すものではないことを認識するべきです。
将来定年退職などで仕事をリタイヤしたら収入は少なくなります。
定年退職したとたんに妻から熟年離婚を切り出される人はここを勘違いしている人が多いのです。
収入が多くても少なくてもあなたがあなたであることに変わりはないですよね?

妻から「金の切れ目が縁の切れ目」という形で自分に跳ね返って来ないようにしましょう。

そして妻は、夫の加齢は自分より先に進むことに想像力を働かせましょう。
夫の体力や交友関係、趣味嗜好など、自分が夫の年代にならないと理解できないことが多いかもしれません。
夫の状態を、少し未来の自分としてまた反面教師として参考にさせてもらいましょう。
夫の言動が必ずしも夫の個性や人格だけに由来しているとは限りません。

もしそれでも「とんでもない夫!」であったとしても、順当にいけば夫が先にあの世に行きます。
一緒にいる時間が長くなくて済む、と考えるのはいかがでしょうか。

それでも我慢できないときは、遠慮なくキ・セ・キ相談室にお越しください。
カウンセラーいしだたかこと一緒にベストな解決方法を探っていきましょう。

【AY様(男性)からのご相談】
AY様は共に40歳代のご夫婦で、中学生の一人娘と3人家族。
数年前から妻との関係がギクシャクすることが多くなり、1〜2年前から娘は妻の肩を持つようになった。
半年前に妻が娘を連れて実家に戻り、それ以来別居が続いている。
娘に会いたくて妻に連絡するも、妻からは別居直前に娘をきつく叱ったことを理由に「子どもはパパに会いたくないと言っている」と言われて会わせてもらえない。
また妻は「子どもがパパのことを許せば、(夫婦関係を修復して)やり直しても良い」とも言っている。
娘に会わせてもらえない以上、話が進まなくて困っている。
どうやったら子どもと会えるか、また子どもに自分のことを分かってもらうにはどうしたらよいのだろうか。

【いしだのアドバイス】
別居が半年になり、さぞ心配なことでしょう。
さて復縁の鍵をお嬢様が握っているとのことですが、これは親として大変マズイ状況です。
中学生ともなれば両親の仲や自分の置かれた状況など理解できる年齢です。
子どもは無条件に母親が好きで、母親の味方をします。
ですから子どもが母親に付いて家を出ても、それが子どもの意志であるとは限りません。

そもそも夫婦間のことは、(いくら自分の両親とはいえ)子どもには関係のないことです。
自分が父親と会えば、父親は自分に修復の裁定を求めてくる、母親は自分に離婚の裁定を求めてくる、それが分かっているからお嬢様はAY様と会うのを拒んでいるのです。
子どもがいつも願っているのは両親が仲良くしていてくれること、それだけです。
両親・家族の将来を左右するという重い判断を、中学生の子どもにさせてはいけません。
修復するのも離婚するのも、夫婦が責任を持って決断しなければならないことで、子どもにその責任を負わせてはいけません。

不満を夫に充分に受け止めてもらえなかったとに失望して、別居に踏み切る妻は珍しくありません。
ただ別居後も奥様との連絡が取れているとのことですので、関係修復への道筋がまだ残されていると思います。
子どもに会えないのは寂しいでしょうが、ここは奥様としっかりコンタクトを取り、話し合って解決してゆかれるのが道筋でしょう。
男性は女性に比べて自分の意見を伝えるのことが苦手な方が多いですね。
カウンセリングのオプショナルサービスとして手紙の代筆も行っていますので、AY様の考えをメモしたものがあれば、いしだが奥様に伝わりやすく代書させていただきます。
ぜひこちらのサービスもご利用してみてください。



G朗さん(男性・30歳代・会社員)は数年前に結婚して、今は専業主婦の妻(30歳代)と小学生と保育園に通う子どもと4人暮らし。
おととしG朗さんは仕事ぶりが認められて昇格し、チームのリーダーとなりました。
仕事の面では大変充実していたのですが、家では妻とのケンカが絶えません。
ケンカの理由は、G朗さんが妻から家事・育児への貢献度が低いと責められているとのこと。
昇格した分、給与も上がり、同時に責任も増えたので、どうしても自宅で過す時間は少なくなります。
なんとか時間をやりくりして熱を出した子どもを病院に連れて行ったりしていたそうです。
それでも妻からは感謝もされず、妻への気持ちが冷めていくことを自覚するようになりました。

昨年、G朗さんのチームに配属されたHさんは中途入社の女性社員です。
H代さんは飛びぬけて有能な社員ではありませんが、上司であるGさんの指示を忠実にこなす仕事ぶりに好感を持っていました。
最初ははずみであった、とのことですがG朗さんとH代さんは秘密の交際へと発展しました。
G朗さんのうっかりミスをH代さんの機転でカバーできたり、突然の残業も厭わない穏やかなH代さんは、G朗さんにとってかけがえのない女性になっていきました。

「妻と結婚したとき、自分はまだ未熟者であった。
 そんな自分が妻を選んで結婚したのは失敗であった。
 いま仕事で認められるようになり、人を見る目もできてきたと感じている。
 H代さんも自分を好いてくれており、H代さんこそが結婚相手として理想的だと思っている。
 ケンカが絶えない妻とは離婚を考えている。
 子どものことは妻の考えに委ねたい」


※ ※ ※ いしだたかこのアドバイス ※ ※ ※

のぼせていないで、頭を冷やしなさい。
あなたが考えるべきことを2つ、申し上げます。

●ひとつめ、H代さんについて
そもそもH代さんにとって、あなたは上司です。
あなたが強く愛しているH代さんの穏やかな性格、機転を利かせてくれるところ、あれこれ求めないところなどは、部下として当然の態度です。
職場でH代さんはあなたに従うのは当然ですし、上司に気に入られたいと思うのは男女に関係ありません。
H代さんもあなたを愛しているようですが、もしあなたが今の会社から転職して、H代さんが社内に残っても、H代さんは同じ態度で接してくれるでしょうか。
H代さんが利己的な人とまでは言えませんが、上司であるあなたと特別な関係でいるのはH代さんにとってもメリットがあることでしょう。
そこを自分の魅力や愛情の強さとカン違いしないことです。


●ふたつめ、子どものこと
「家族のために一生懸命働いているお父さん」だとお子さんたちは思っていたことでしょう。
しかし離婚して職場の不倫相手と再婚しました、というのであれば子供たちの目には「お父さんは家族のためではなく、好きな人が職場にいるから出勤していただけじゃないか」と映るでしょう。
その挙句に片方の親を失うことになるのですから、子どもにとってはショックが大きく災難以外の何物でもありません。

そして本当に聡明な女性は、既婚者・子持ちの男性を離婚させてまで結婚したがるでしょうか?
あななたたちのしていることは、客観的に見れば社内不倫です。
不貞行為での離婚であれば、妻から慰藉料を請求されますし、これから20年近く子どもの養育費を負担しなければなりません。
再婚相手に子どもが生まれた場合、手もとにいる子は可愛いが、離れている子への関心は小さいというのでは、親としての責任が問われます。
子どもをあなたが引き取ったとしても、突然母親になるH代さん、突然実母から引き離される子どもたち、どちらも幸せへのハードルが高いです。


妻はあなたの不貞行為に気付いています。
だからあなたにあれこれ用事を言いつけて、密会の時間を与えないようにしているのです。
一刻も早く頭を冷やし、妻との関係を改善させることが先決です。
H代さんが素敵に感じられたのは、H代さんが上司の指示をよく理解しようと、しっかり耳を傾けていたからです。
人は誰でも自分の言葉を一生懸命聞いてくれる人に好意を持ちます。
妻とのケンカの背景には、「G朗さんが話を聞いてくれない」という不満も必ずあるでしょうから、H代さんのように、妻の言葉を(途中で遮らずに)最後まで聞くことから
始めて、妻の信頼を得て関係改善の一歩にして下さい。

あなたが今しようとしていることは、誰も幸せになりません。

【N美さんのご相談】
結婚して3年になるN美さん(30歳代)は、ここ1年くらいセックスレス気味です。
夫婦仲は悪くないのに、N美さんが誘っても夫からそれとなく拒否されてしまい、この先の結婚生活に対してとても不安になっていました。
夫に性行為をするよう交渉すべきかどうか迷っていました。
このままセックスレスの生活がずっと続くのは耐えられない、と思って相談に来られました。

【いしだたかこのアドバイス】
セックスレスはとても多くの方が直面している問題です。
恥ずかしがったり、自分たちだけが特別だなんて思うことはありません。

さて、N美さんたちのセックスレスの原因としては、以下のようなことが考えられます。
 1.結婚していつでもセックスができるようになったので「今日じゃなくてもいいや」と、セックス自体の優先順位が下がる
 2.夫の仕事の充実や多忙により、家庭では身体を休めたい
 3.妻に対する緊張感が薄れ、異性として見られなくなってきた

性行為は男性の能動的な意思と行動がなければ成り立ちにくいものです。
夫に「その気」になってもらうには、不必要なプレッシャーを与えるのは禁物です。
ですから「ちゃんとセックスしよう」という交渉は、相手に義務感を植え付けることになり逆効果です。

特に2.による原因が大きいと思われるので、自宅でのセックスではなく休日などを利用して外出先(旅先のホテルなど)での行為をおすすめします。
自宅だとどうしても日常生活のことが頭をよぎり、「明日は早起きしなきゃ」「後でこれをしなきゃ」など、二人のための時間をゆっくり過すことが出来にくいと思われます。
その点、温泉旅行やバカンスなどへの外出は家事や仕事から解放されるので、新鮮な気持ちで長い夜を楽しむことができます。

また人によって性欲の強さやタイミングが異なりますので、どうしてもN美さんが我慢できないときには、自慰行為をなさるのも良いと思いますよ。
自分の身体の快感のツボを把握しておくことは、セックスの質を高めることにもつながります。
夫とセックスについて話合いをするのであれば、頻度・回数ではなく好みについて話し合うべきです。

夫婦の時間が長くなるにつれて、セックスレスに陥りやすくなります。
いつまでもみずみずしいカップルでいるために、小さな工夫や努力を積み重ねていって下さいね。

【N美さんの感想】
誰にも言えなかったことだったので、相談できて本当によかったです。
夫と話し合いで根本的な解決を考えていましたが、それ以外にも解決の方法はあったんですね。
自分では思いつかなかったことでした。
また相手(夫)に無理をさせないということも大切なことだと思いました。
どうもありがとうございました。



【問い】
親族や子ども、仕事の問題など、夫婦間のことではないけれど、夫婦関係に影響を及ぼしそうな出来事が起こったとき、関係性を損なわないための方法があれば教えて下さい。(50代・男性)

【答え】
自分たちのことが争点ではないのに、途中から夫婦の会話がこじれていまったというのはよくあることですね。
総じて男性は女性に比べて感受性が乏しいようで、男女の感受性の違いによって妻の神経を逆撫でしてしまうことが原因です。
身近なところで起こる問題は、大概の場合は取るべき対応策は限られていますし、妻もどうしたらいいかは分かっているのです。(自分にとって都合がいいかどうかは別として)

つまり妻が一番求めているものは、「解決策を教えて欲しい」ではなく「大変なことになった自分を理解してね」ということなのです。
男性は与えられた立場と仕事上の経験から、どうしてもすぐに「解決策」を示すことを優先して、状況や感情を共有するということをおろそかにしがちです。
ですから妻から相談を持ちかけられたときや、問題が発生したときは、下記のように二段構えで対処しなければなりません。

対処のステップ1/まず妻の言うことに耳を傾ける
しかしそれは妻の言うとおりにする、ということではありません。
妻が「どうしよう、困った!」と言えば、妻が困った問題に直面していることを理解してあげることです。
 ○正解の返答例「そうかぁ、それは困った問題だよなぁ」
妻が「本当に大変なのよ!」と言えば、妻が大変な状況に直面している事を理解してあげることです。
 ○正解の返答例「それは大変なことになったもんだな」
妻が感じている大変さを過小評価するのはタブーです。
 ×言っちゃダメ「そんなに騒ぐほどのことじゃないだろう」

対処のステップ2/次に複数の「解決策」を提示する
「こうしたらいいじゃないか」と、いきなりベストアンサーやラストアンサーを提示するのは厳禁です。
解決策は必ず複数提示し、妻に選択権を与えて下さい。
たとえその解決策が唯一のものであったとしても、です。
 ○正解の提示方法     A、B、Cの解決策を提示する
 ○解決策がAしかない場合 「Aのみ」または「A+B」または「A+C」または「A+B+C」のようにメニューをアレンジして選択肢を増やす
もし妻から「あなたはわかっていない、もうあなたに相談したくない」と言われたことがあるならば、あなたは上記ステップ1を飛ばしてしまった可能性があります。


小学生の子どもを連れて離婚したH美さん。離婚の理由は夫のDVです。
離婚後は学生時代に取得した資格を活かして働きはじめました。
さばさばとした性格で、言葉も歯切れがよく、本人も「私、中身はオトコだから」と言います。

自分がオトコだから、好きになる男性も男らしい人が好き。
それで一緒になったら、夫は妻である自分より優位な立場に居ようとして衝突。
最初は勝気なH美さんも負けじと応戦していたようですが、次第に形成は不利に。
恐怖と憎しみが消えず、別れることになりました。
そのH美さんから近況報告がありました。
「最近気になる男性が現れたんだけど、どうも元ダンナと似たタイプのような気がして…。」


DVオトコに遭遇してしまうのは、どうやらそういうタイプを好んでしまうH美さんに原因があるようです。
H美さんは自分の性格も「中身はオトコ」と形容していますが、彼女の「オトコ」らしさの基準って何でしょう。
 自信があること
 強くあること
 積極的で能動的であること
 挑戦的で怖いもの知らずであること  などでしょうか。

これ、見方を変えたらとても危ないのです。
攻撃的であることや、服従より支配を好むタイプはDVの要素とピッタリあてはまるからです。

「だって女々しい人は嫌なんですよ、やっぱり男らしくないと」とH美さん。
それは裏を返せば、支配的な男性に服従することを肯定していることになります。
ステレオタイプ的な男らしさの概念を捨てなければ、パートナー選びを間違え続けますよ!

確かに自信がないよりはある人のほうが魅力的です。
実るほど頭を垂れる稲穂かな という言葉もあるように、本当に自信がある人は精神的な余裕がありますから、むしろ穏やかで紳士的であることが多いです。
自信がないから威嚇しておかないと気がすまない、支配して自分から離れないようにしておきたい、それがDV加害者なんです。
そんなメッキ男の表面上の振る舞いだけで判断してはダメ。

頑張り屋さんのH美さんのことです。
いしだの言う意味をきっと分かってくれると思います。


 
 
 


拝啓
離婚に悩む親友を前にして、なんとか助けになりたいと思う心優しいあなたへ。

親友の悩みを黙って聞いてあげて下さい。
決してアドバイスをしたり励ましたりしないで下さい。
励ますつもりで「私だったらこうするよ」とか、「元気出して、頑張れ」と声をかけることは、当事者じゃないから言えることなのです。

同情と友情は違います。
そしてあなたと親友の置かれた立場も考え方も違います。
本当はどうしたらいいかは、あなたの親友は理解しているのです。
でも、気持ちがついていかないのです。

気持ちの整理をつけるのには時間がかかります。
また考えも迷走して、振り子が右にぶれたり左にぶれたりするように定まりません。
昨日は離婚すると言ったかと思えば、今日は絶対に離婚しないと言う・・・・その繰り返しです。
それが「心を決める」ための大切なプロセスなのです。

根気よく親友の声に耳を傾けてあげて下さい。

大切な親友の悩みを聞き続けることはあなたにとっても辛いことでしょう。
いつも笑顔だった親友の、苦悩に満ちた表情を見るのはとても切ないことと思います。
誰もが苦しみから早く解放されたいと願うものですが、解決のない解放では意味がありません。
親友の悩みとそれを聞くあなたの辛さを解消する為に、決断を急がせてはいけません。

もしあなたが親友の悩みを聞き続けることが辛くて耐えられなくなったら、それ以上悩みを聞いてはいけません。
自分ができないことを引き受けてはいけないのです。
親友の悩みが迷走しないためにも。
今後の友情が壊れないためにも。

そばにいてあげることが、あなたにしかできないことです。

敬具






拝啓
結婚生活に戸惑っていらっしゃるあなたへ。

あなたは幸せ者です。
思い通りにいくことばかりとは限らない世の中ですが、私心を捨ててあなたの幸せを願ってくれるお母様がいらっしゃいます。

子どもの頃からあなたはお母様に何でも相談し、あなたの喜びはお母様の喜びとして、あなたの悲しみはお母様の悲しみとして、強い絆で結ばれてきた母娘でしたね。

今あなたは結婚生活を辛く感じています。
あなたは誰にも言えない苦悩をお母様だけには話すことができます。
お母様の優しさはあなたの心を包み込み、支えてくれています。

でもあなたが今向き合う相手は慰めてくれるお母様ではなく、夫なのです。
これはあなたがた母娘の問題ではなく、あなたと夫の夫婦の問題なのです。

当事者のペアが異なるのですから、ご両親とあなたがたでは結婚の生活様式も価値観も違うのは当然です。
お母様の考え方はお父様に対しては有効でも、あなたの夫に対して有効とは限りません。
お母様の価値観を(たとえそれがあなたの価値観と同一であったとしても!)あなたの夫に伝えても、彼は耳を傾けないでしょう。
彼の目にはお母様の影響を強く受けたあなたは、親の操り人形にように見えるだけです。
彼にとってあなたのお母様は部外者でしかないのですから。

だからあなたは夫と一対一でしっかり向き合わなければなりません。
もちろん、身の危険を感じるようであればそれなりの対策は必要です。

あなたはまず「自分の幸せ」が何であるかに気がつかねばなりません。
それがお母様の受け売りや「お母様が願う娘(あなた)の幸せ」ではいけません。
あなたの求める幸せが、お母様の価値観を否定したり、寂しい思いをさせることになるかもしれません。
でもあなたは結婚して、人生の伴侶を得た人です。
あなたのお母様がかつてお父様という伴侶を得たように。

あなたの伴侶はお母様ではありません。
あなたと夫が苦楽を乗り越えて、助け合って生きていくことが最大の親孝行である事を忘れないで下さい。
ホンの少しだけ、お母様との距離を取りましょう。
その分だけ夫との距離が縮まりますから。

あまりに辛いことはお母様ではなく、カウンセラーのいしだにお話し下さい。
お母様を心配させずに済みますよ。

あなたならできるはずです。
応援しています。

敬具


拝啓
しっかり者の娘をお持ちのお母様。

大切に育ててこられたお嬢様が長じてからは、何でも話し合える母娘になられたことはお母様の誇りですね。
そのお嬢様が人生の伴侶を得たはずなのに、結婚生活に苦しんでいるのをご覧になるのは大変お辛いことと存じます。
そして人生の先輩としてお母様の体験やお考えを通じて、お嬢様と苦悩を分かち合っているお姿には頭が下がります。

お嬢様が聡明な方であることはお話しをしていても分かります。
お嬢様はお母様が思うよりずっと大人でいらっしゃいます。
そして心の底では自分が妻としてどうしたいのか、どうすべきなのかも分かっていらっしゃいます。
ただそれはお母様のお考えとは少しだけ異なっています。
自分の考えを貫くことはお母様の生き方を否定してしまわないか、それによってお母様を傷つけはしないかが心配なのです。

お嬢様はお母様のことが大好きなのです。
お母様がお嬢様を愛していらっしゃるように。

だからこそ、お嬢様が安心して自分の考えで行動できるように見守っていてあげてほしいのです。
真の解決とはきちんと問題に向き合うことで成し得ることであって、逃げ道を用意することではありません。

「問題」はお嬢様とお母様の間で発生しているのではなく、お嬢様とその夫の間にあります。
「問題」はお嬢様が夫と精神的に対等になり、一対一で向き合わない限り解決しません。
「問題」を一つずつ解決していく中で人は成長して強くなります。

今お母様がやってはいけないこと。
それは早く安心することが目標になってしまって、お嬢様に結論を急がせてしまうことです。
お母様の手助けが、お嬢様の成長のチャンスを奪ってしまっては駄目なんです。
お母様がお元気なうちはお嬢様を支えることが出来ても、いつかお母様もお歳を重ねていかれます。
お母様に支えが必要になったとき、お嬢様に支えてくれる人生の伴侶がいらっしゃらなかったり、精神的に未熟なままであったら困るのはお嬢様本人です。

「問題」を乗り越えていける賢さをお嬢様はお持ちです。
お嬢様はいま大きな選択をすべきかどうか迷っていらっしゃいます。
その結論を出すには時間がかかってもいいのです。
どうか口を挟まず手を出さず、辛抱強く見守っていてあげて下さい。

どうかそっと見守っていてあげて下さい。

敬具

N代さんがキ・セ・キ相談室を訪れたのは、ご主人に対する信頼が失せてしまったからでした。

出会い系サイトもピンからキリまであると思いますが、はまっている既婚男性も少なくありません。
真面目なN代さんにとっては、「自分以外の女性」はすべて浮気相手に見えてしまっています。
しかし、ある程度理解している相手との浮気とは根本的に異なります。
それは相手が不特定多数であるということと、相手をゲットしたりされたりとゲーム感覚が強いということです。

まずはN代さんのご主人のハマリ具合をチェック。

ポイント1 外泊の有無/毎日帰宅しているので、ここは一安心です。
ポイント2 お小遣い/生活費はN代さんに毎月定額を渡しています。この点も大丈夫。ハマリすぎたり、特定の女性に入れ込んだり、詐欺には遭っていないようです。
ポイント3 夫婦仲/10年近くに及ぶセックスレス。かなり夫婦の危機としてかなり危険な状態です。
ポイント4 健康/心配すべきは性病。ご主人のトイレ(小用)の使用時間が長くなってきたのは気にかかります。化膿して排尿時に痛みが出ているのかもしれません。

出会い系サイトの利用で心配なのは、詐欺・売買春などの犯罪に巻き込まれること、性病をうつされることです。
頻繁にサイトを利用すれば会費や利用料が高額になるケースが多く、利用者に期待させて課金させるためにサイト側に雇われた男性アルバイトが女性と偽ってメールのやり取りをするなど、詐欺行為も横行しているようです。
また本当に女性とデートの約束が成立しても、デート相手の女性にお小遣いを渡す(女性が金額を指定してねだる)ケースは珍しくありません。
これは売春(買春)行為につながりますのでご注意を。
そしてご主人の下着(トランクスやブリーフ)に膿がついているようならクロ、N代さんに感染する前に医師の診断と治療を急ぎましょう。
出会い系サイトはギャンブルと一緒で、一種のゲームにのめり込んでいるということを踏まえて考えましょう。もし悪質なサイトであれば警察に相談する必要があります。

N代さんのケースはそもそもセックスレスが起因になっているように思えます。
このまま放置していたら、ご主人が出会い系サイトを止めたとしてもまた家庭の外に心が向かってしまいそうです。
セックスレスの原因はさなまざな要因が複雑に絡み合っていることが多いので、一概に「こうすべき」という処方箋はありません。

長年夫婦をやっているとお互いに緊張感がなくなります。その上で日常的に互いを「おとうさん、おかあさん」「パパ、ママ」と子どもの目線で呼び合っていると、よりその傾向が強まります。

熱しやすく冷めやすいタイプのご主人でしたら、しばらく放っておけばやがてサイト遊びにも飽きるでしょう。
仕事や人間関係などのストレスの解消としてのめり込んでいる可能性もありますので、「オンナ好き、遊び人」と決め付けないで、ご主人が一人で抱え込んでいる問題がないか知っておきましょう。

いずれにしても、すぐに離婚を考えるのは早すぎます。
N代さんは離婚して幸せになりたいとおっしゃっていますが、今の状態で離婚したら、すべきことをしなかったことによって、離婚を後悔することになります。
離婚して幸せになる人もいます。だからといってN代さんがしなくてもいい離婚をする必要はないのです。

N代さんの友人が夫の浮気で離婚した直後ということですが、この友人に相談するのはおススメしません。離婚した直後の人は一種の高揚状態になっていますので、客観的なアドバイスが期待できません。

自分を追い詰めないで、ゆっくり現状を変えていきましょうね。



【J子さん(30歳代・塾講師)からのご相談】

2年前に9歳年上の夫と結婚しました。夫は金融機関に勤務しており、収入は悪くないと思いますが、結婚して以来、一度も給与明細を見せてくれたことがないのです。生活費は毎月決まった額を現金で手渡ししてくれます。給与振込用の銀行口座も夫が自分で管理しているので、振込額や預金残高がどれだけあるのか、私は知りません。
結婚してすぐの頃、給与明細を見せて欲しい、私に家計を任せて欲しいと夫に伝えたことがありました。でも「生活に必要な分は僕がちゃんと渡すからね。余っ たらJ子の好きに使っていいし、足りなくなったら出すよ。J子の給料は貯金にでも回したらいいよ」と言われたのでそれ以上言えなくなってしまいました。
私の両親は父が母に給料をそっくり渡し、父は母からお小遣いを渡されていました。ですから今の状態(夫か収入を管理している)にとても違和感を感じています。
私は夫から信頼されていないのでしょうか。将来は子どももマイホームも欲しいと思っています。


【いしだの回答】
家計の管理どちらをがするかは悩ましいところですね。
世の夫は収入を妻に丸投げするタイプ(J子さんのお父様)と、自己管理タイプ(J子さんのご主人)の2種類に分けられます。これは生まれ育った家庭環境や本人の価値観によるものなので、どちらがいいとも悪いとも言えない問題です。

結論から言うと、J子さんのご主人は金銭感覚がしっかりしてるようなので任せても安心なのではないでしょうか。肝心なのは収入に見合った健全な生活が営めることです。
実際ご主人は夫として扶養義務は果たしていますから、彼の言い分は至極正当なものです。そして義務を果たしている以上、生活費以外の給与を、遊行費や養育費など何に使おうが夫の自由ということになります。

その一方で妻の知らないところで夫が自由にお金を使っているのがイヤという気持ちも、いしだは充分に理解できます。特に女性にとっての結婚は経済的安定をもたらすという意味があるのも事実です。しかしだからといって夫は妻にとってのスポンサーではないのです。

J子さんには収入がありますので、ここは二つのサイフを無理に一つにするより、いっそ三つのサイフに分けることをおススメします。
妻と夫それぞれが持つサイフと、貯蓄も含めて二人がともに負担しあう共同のサイフを持つことです。

ご主人が収入を教えてくれないとの事ですが、収入なんて簡単に調べることができます。年末の源泉徴収票、住民税の基本台帳や役所で発行してくれる課税証明など、調べる手段はいくらでもあります。
「知らない」と不安になるけれど、「知って」しまえばどうってことなくなります。こっそり調べて、知らないフリをしておくのも賢い妻の振る舞いですよ。
ご主人が収入を隠しておきたいのなら、その気持ちを汲んであげたらいいと思います。



「いしだ先生は離婚はしないほうがいいとおっしゃいますけど、私は違うと思います!」

地方の団体職員として働くM美さん(40歳代)は独身です。
M美さんは開口一番、ストレートにご自身の考えを述べられました。

「離婚したい人はさっさと離婚して、次の人生に進んだらいいんです。
 周りの人を巻き込んで、嫌な思いを押し付けて、本当に迷惑なんですから」

聞けば、M美さんは幼い頃から父と母が不仲で、両親に振り回されるたびに早く離婚してくれたらいいのに、と思ってきたそうです。
母親は「離婚したい、離婚したい」と言いつつ、70歳を超えた今でも離婚せずに夫を憎んでいるのだそう。
M美さんの目には怒りと、哀しみが宿っていました。

M美さんのお母様とお話したのではありませんので、お母様の心中は測りかねますが、何十年と離婚せずにきたというのは、やはりお母様は結婚生活に不満があっても離婚はしたくないのだと思います。
これまで不満と不満を天秤にかけた結果、他の不満より離婚の方が我慢できる不満であったのでしょう。
いまや3組に1組のカップルが離婚している時代です。
M美さんの言葉のように、離婚したいと思ったら、さっさと離婚できる時代なのです。

憎しみは期待が外れたときの失望から生まれることがあります。
そして世の中には、不満をアピールすることでしか自分の正しさを主張できない立場(考え方)の人がいるのも事実です。
この場合は離婚しようがしまいが、人生の中に不満を探し続けることになります。
M美さんのお母様はずっと夫に期待をしては裏切られてきたのかもしれませんし、身近なところに何かしら「正しくないもの」を見つけてしまうタイプなのかもしれません。

また物事は自分の思い通りにならないことは誰でもわかっていることです。
つまりもともと世の中は不満であふれているのです。
だからこそ自分の意思で人生を決めていないと、不都合な結果が生じたときにそれを受け入れられなくなります。
人生を受身で生きると、被害者意識ばかりが大きくなるのです。

さて、話をM美さんのお母様に戻します。

一般的には夫の方が妻より早くに先立つことが多いので、このまま離婚せずに妻の座を死守しても損はありません。

ただ、お母様は「本当は離婚したかった」との思いがぬぐえないでしょうから、財産分与や生前贈与の法的な手続きをしっかりした上で、自己実現の手段として離婚してもいいでしょう。
結婚して40年以上経っています。

今さら離婚しても、夫婦の距離や子ども(M美さん)との関係性に大きな変化はないでしょう。
むしろ離婚して夫婦が赤の他人になることで、お互いを冷静に見つめなおすことができるかもしれません。
ただ夫婦のことは夫婦にしか分からないことがたくさんあります。
いくら子どもでも、親の離婚に口出しをするべきではありません。
また親であっても、子どもの離婚に口出ししてはいけません。
あくまでも当事者が決めないといけないことです。

自分で決めたことを受け入れる、という覚悟とふんぎりは離婚においても重要なことです。


DINKSで夫婦双方に収入がある場合もありますが、大半の家庭では夫の収入がメインで、妻の収入はゼロか補助的であるケースが多いですね。
なのに夫からの生活費が途絶えてしまったら、これはもう大変なことになります。

生活費がストップする原因として大きく二つあげられます。

① 失職や病気・ケガなどで、収入が途絶えてしまった。
② 夫に収入があるのに生活費を入れない。

①のケースは悪意がありませんので、家族で協力して乗り切ることが必要です。
問題は②のケース・・・・。
夫・妻に収入に偏りがあったとしても、夫婦は同等の生活水準を維持する権利と義務があります。(相互扶助の義務)
年収3000万円の夫が豪邸に住み、専業主婦の妻はぼろぼろの物置に住む、なんてことは許されないのです。

ではどうするか。

手っ取り早いのが、家庭裁判所に「婚姻費用の申し立て」をして、夫に対して生活費の要求をすることです。
裁判所には収入に応じた生活費の算定表がありますので、要求額はこれを参考にするといいでしょう。
ケースバイケースですが、毎月3万円〜5万円の範囲で認められることが多いようです。
何を以って「生活費」とするかも微妙なところですので、食費、住宅費(家賃や住宅ローン)、水道光熱費など月々の支出をハッキリさせておくと説得力が増します。
家計簿があればベストですが、なくても領収書や支払明細書などを保管・整理しておくことをおススメします。

ただ夫婦の間には、生活費がストップするまでにいろいろな出来事があったはずです。
いきなり調停にかけてしまうと、ギクシャクしていた夫婦関係がさらに悪化することが考えられます。
夫婦関係の修復を望むならば、まず生活費を入れてくれなくなった理由を知っておくことが肝心です。
そして夫の収入はどこに費やされてしまったのかを把握する必要もあります。

特に離婚を望まない方にとっては、調停よりも調停後の夫婦の向き合い方が非常に大切になってきます。
「その後」のビジョンとシナリオを描いてから行動に移すようにして下さいね。





パートナーが嫌いになったわけじゃない。
パートナーは相変わらず自分に優しくしてくれる。
でも自分の気持ちがパートナーにどうしても向かない。

こんな気持ちになることは誰にでもあります。
それを倦怠期というのでしょうが、自分の気持ちをあまりにも正直に受け止めてしまうと、後々面倒なことになりかねません。
パートナーとの心の温度差が負担となり、罪もないパートナーを悪者にしてしまうと、夫婦の歯車が狂い始めます。

パートナーにテンションが上がらないときは、無理に愛そうとしなくてもいいんです。
愛そうとするからプレッシャーになるのです。
ただ、パートナーを大切にしてあげたらいいんです。
心をこめることができなくても、形式的な振る舞いでもいいので、大切にしたらいいのです。
華道や茶道、剣道などは相手への尊重を形式美として表現しています。
形から入ることで、心が後からついていくようになります。

パートナーが目覚めのコーヒーを楽しむ人ならば、美味しいコーヒーを淹れてあげたらいいのです。
肩こりに苦しんでいたら、肩をもんであげたらいいのです。
パートナーの事を四六時中考えなくてもいいのです。
向き合っている時間だけ、大切にしてあげるだけでいいのです。

無理をしないことが長続きの秘訣です。


M美さん(50歳代 女性)からのご相談

夫のDV(家庭内暴力)が原因で、10年前に当時小学生の一人息子を連れて家を出ました。
夫と別居後、必死に仕事をして生活費を稼ぎ、息子を大学に行かせることができました。
ところが先日、突然夫から離婚届が郵送されて来たのです。
離婚届には夫や証人の署名があり、あとは自分が署名して役場に提出するだけになっています。
それを見たとたん、悔しい思い出とともに、怒りがこみ上げて来ました。
そもそも夫側に原因があって別居になったのに、夫から離婚を要求するのは自分勝手すぎる。
こんなことは認められるのでしょうか。
せめて夫から慰謝料なり、なにがしかの誠意を見せて欲しいのです。



★ ★ ★ ★ ★

M美さんの悔しい気持ちは十分に理解できます。
また、これまでの子供を抱えての生活のご苦労は並大抵のものではなかったと察します。
しかし夫婦関係が破綻してそれぞれが独立した生活を営んでいる現状では、戸籍上だけの婚姻関係にあるのは双方にとって意味がありません。
子供も大きく成長したので、子供のために夫婦でいる必要もありません。
きちんと婚姻関係を解消し、それぞれの人生を歩んでいくことをお勧めします。

原因が夫のDVなので離婚の代償としての誠意をとのことですが、残念ながら期待できません。
今となってはDVの立証も難しく、またM美さん自身が経済的に困窮していたり、不利益を被っている状態にありません。
離婚届をつきつけられた今になって慰謝料云々というのは、第三者から見れば「報復的な嫌がらせ」となるでしょう。慰謝料を要求するなら、なぜ今までしなかったのですか、手遅れですよということです。
別居して10年も経てば、共有する財産や資産も残っていないでしょうから、財産分与など金銭的に話し合うこともないと思います。
家庭裁判所での離婚調停にでもなれば、ご主人の言い分(=離婚)がすんなり認められるでしょう。

過去に後戻りすることはできませんが、子供も大きくなった今、M美さんはこれから一人の女性として生きていく時間があります。
経済的にも自立した大人の女性として、恋に仕事に生きがいに、自分の人生をエンジョイしていくことで今までの苦労が報われると思います。

離婚を未来に進むひとつのステップにして下さい。
悔しい思いは、M美さんが今後幸せな人生を送るためのバネにして下さい。
そして幸せに生きることでご主人を見返して下さい。

応援しています。




世界では宗教上の対立が紛争にまで発展しますが、夫婦間でも例外ではありません。

 

日本では信教の自由が認められていますから、誰が何を信仰しようが自由です。夫婦だからといって強制や禁止はできません。

夫婦双方が同じ宗教観を持っていれば何の問題もないでしょう。

しかし異なる宗教の信者同士であったり、一方は熱心な信者で、もう一方は無神論者である場合は話しがややこしいですね。

 

信者&非信者のカップルのケースです。

 

長い交際期間を経て結婚したカップル(子供なし)で、ご主人からの相談です。

ご主人はご両親ともに初詣と葬式以外は特に宗教や信仰に縁のない方。

もともとご主人のご両親はこの結婚に反対だったそうです。

理由は奥様とそのご両親が、ともにある宗教の熱心な信者であるからです。

 

最近両親から子供はまだかと言われるようになり、それに伴って奥様への信仰に対する風当たりも強くなってきており、板挟みで苦しい思いをしていらっしゃるとのこと。

 

「妻とは恋愛でした。妻の人柄に惚れて結婚したんです。妻は僕に信仰を押し付けることもないですし、その宗教も妻を通じて理解しているつもりです。

 

でも僕の母が、妻の実家と顔を合わせたり、僕が妻の実家を訪れるのをヒドク嫌がるんです。

僕が洗脳されて信者になるのを心配してるんでしょうね。

 

僕の母は、妻が子供を産んだら面倒を見るから仕事を辞めずに続けろって言うんですけど、孫は妻の実家に渡さないぞって構えなんです。こんな調子で子供が出来たらどうなるのかなって・・・」

 

よくよくお話しを聞いていくと、ご主人の勘違いが見えてきました。

 

ご主人のご両親は、宗教そのものや信仰活動が気に入らないのではないのです。だから、お嫁さんにも信仰をやめろというつもりもありません。

 

ただ自分達非信者の「信仰しない自由」が脅かされることを心配しているのです。

もちろん信仰を押し付けられたくないし、宗教に則る規範を、自分達の生活圏に持ち込んでほしくないと考えているのです。

宗教に対して嫌悪感や不快感を持つ人も少なくありません。ご主人のご両親はそういうタイプの方たちなのでしょう。

 

ご両親は宗教の存在を受け入れていらっしゃるようなので、ここは信者側も非信者を不快にさせない信仰の仕方を考える必要がありそうですね。

 

一般的にどちらかの親族から反対された結婚は、どうしても離婚のリスクが高まります。

長い結婚生活をしていく上で、障害や困難が予測されることを人生の経験者である親は分かっているのです。

しかしその困難を二人で乗り越えられたら、夫婦の絆はもっと強いものになります。

 

まだ若いご夫婦です、協力し合って乗り切っていって下さいね。


最近増えてきている、女性からの離婚希望のご相談事例を紹介いたします。

 

目元パッチリの美女、年齢は30代前半のC子さん。

学生時代のボーイフレンドと結婚してもうすぐ10年、子供はいません。

 

「夫に特に不満はないのですが、最近夫がとても未熟で頼りなく思えてきて、これ以上一緒にいてもどうなんだろうって思うんです」

「そのことに気がついてしまうと、こんな気持ちのまま過ごすよりは、いっそ離婚してお互い新しい道を進んでもいいのかなぁ」

「だから、今はできるだけ夫とは関わりを持たないようにしています」

 

C子さんは離婚する気満々です。・・・お互いの人生のために。

 

しかしよく話しを聞いていみると、やっぱりC子さんの異性問題です。

お相手はC子さんよりかなり年上の、妻子ある男性。

この男性は若くして出世した大会社の役員。

妻との結婚生活はうまくいっていないが、妻が離婚に応じる気配はないそうです。

この男性はC子さんとの将来像を語ってくれています。

 

ここまでなら、まずよくある話です。

 

そして、実際C子さんも相手の男性もそれぞれが離婚すれば、この二人は一緒になれます。

現在では家庭裁判所も離婚に関しては「破綻主義」をとっていますので、夫と妻どちらに非があろうとも、夫婦関係が破綻していたらまず離婚は認められます。

あとは、慰謝料や財産分与、親権など双方が納得する形で決着をつけるだけのことです。

 

いしだたかこは以下のように申し上げました。

 

あなたはどうあっても離婚をなさるでしょうから、それならば夫が嫌いになったから離婚するのではなくて、他に好きな人が現れたから離婚するのだという自覚を持って下さい。

夫にも夫のこれからの人生があるのですから、決して夫に非があるように申し立てたり、プライドを深く傷つけるような事はしないであげて下さい。

 

しかしC子さんは、いざ覚悟を決めようとすると迷います。

 

「夫にも他に好きな女性がいたらいいんですけど・・・・」

「相手の男性は奥さんとちゃんと別れてくれるかしら。愛人というのはイヤなんです」

「自分の親は心配すると思うんですけど、どう説明したら自分の気持ちを理解してもらえるかしら」

 

いしだたかこは更に申し上げさせていただきました。

 

あなたの気持ちの変化が発端ですよ。

夫に女ができたら自分が悪者にならなくて済むとか、自分が損しないようにとは、ムシがよすぎます。

どういう理由があるにせよ、大事な娘が離婚すると言ったら、親が心配して泣くのは当然です。

本来離婚と言うのはつらくて苦しいものなんです、甘えていてはいけません。

だから結婚より離婚の方が大きなエネルギーを必要とするのです。

今あなたは相手の男性に対する恋愛感情が先走っていらっしゃるようです。

気持ちが落ち着くまで少し時間を置いて、それでも離婚の決意が変わらなければ、そのときに親にも話しをしてきちんと離婚の手続きをお取りなさい。

再婚して幸せがつかめるかどうかは、あなたと相手の男性のこれからの行動しだいです。

 

人生80年、親と過ごす時関よりはるかに長い時間をパートナーと過ごすのです。

パートナーと末永くというのが理想ですが、苦しい思いをしながらの結婚生活に疑問を抱いてもしかたありません。

乗り越えられるのであれば、夫婦の危機に立ち向かっていって欲しいと願います。

幸せの特効薬はありませんが、危機を乗り越えた後には、夫婦の絆が深まっているのは確かでしょうから。


熟年離婚とは15年以上連れ添った夫婦が、夫の定年などをきっかけに、本格的な老後を迎える前に離婚するというのが大方のイメージだと思います。

 

「夫が一日中家にいるようになって、気が休まるヒマがありません」

「夫が家にいることを望むので、友人との外出ができなくなりました」

「近所への買い物はもとより、どこへ行くにも夫が一緒についてくるので束縛されているようです」

「夫が掃除や洗濯についてこまごまと口を出してくる(でも手は貸さない)ので、閉口しています」

 

長い夫婦生活の中で、多少の不満やトラブルはあっても乗り越えてきた夫婦です。

夫は仕事ぶりも真面目で、尊敬すべき人格の持ち主である方がほとんどです。

そして妻はちゃんと家庭を支えて来られた忍耐強い方です。

 

その理想的な夫婦が、なぜ夫の定年や夫の失職がきっかけで離婚の危機を迎えるのか。

収入など、経済的なことが問題なのではありません。

 

長年当たり前に暮らしていたので、夫婦それぞれの生活スタイルが違っていることに気がついていないことが問題なのです。

 

普段自宅にいることが少ない夫が日常的に自宅にいることで、妻のプライバシーに過干渉しているのです。

もともと真面目な夫は、仕事に向けていた情熱を家庭生活に向けるようになって、妻の創り上げてきた生活リズムを乱しているのです。

 

もともとうまくやってこられた夫婦なので、問題を離婚で解決するには失う物があまりにも多すぎます。

 

夫がもてあましている時間や情熱を、再就職や趣味・地域社会活動などへソフトランディングできるよう、妻の手助けが必要かもしれません。

そして、妻は上手に自分の時間を見つけていくようにして下さいね。

 

ただし、上記のように再生できる夫婦ばかりとは限りません。

 

夫婦のどちらかが長年一方的に我慢してきたのであれば、夫の定年などを期に「人生のやり直し」を望むかもしれません。

それにつてはまた改めて掘り下げたいと思います。


【ご相談内容】

 

東北地方に住むY美さん(専業主婦)は23年前に結婚したものの、結婚2年目から夫(公務員)がうつ病を患い、最近は症状がさらに悪化して休職中。
夫の顔色をうかがって生活することに疲れたY美さんは、大学生と高校生の子供を連れて別居。
夫は離婚には反対も賛成もしていないが、この状態で離婚できるのか、また離婚した後に、子供の学費や慰謝料などの経済的な援助を夫から得られるかを心配しています。

 

 

【Y美さんへのアドバイス】

 

Y美様、ご結婚の直後からご主人のご病気と向き合い、その中で二人のお子様を育て、ご苦労は並大抵ではなかったとお察しいたします。

 

Y美様が別居に踏み切ったのは正解だったと思います。
このままでは家族がバラバラになり、Y美様自身も共倒れになりかねません。
ご決心のとおり、離婚をなさった方がよろしいかと思います。

 

離婚に際してご主人の同意を得ることが難しければ、家庭裁判所での離婚調停の利用もできます。
病気の期間が結婚生活の大半を占めていること、子供たちに与える影響などを調停委員にしっかり説明してみて下さい。

 

ご質問の件ですが、離婚に際してお子様たちの大学卒業までの学費を養育費として払ってもらうことは可能だと思います。
しかし、慰謝料に関しては期待できません。
離婚の理由がご主人のご病気であり、故意や落ち度にあたらないからです。
ただ、ご夫婦で築いてきた預貯金や不動産などの共有財産があれば、財産分与として全財産の二分の一を請求することができます。

 

共有財産にはご主人の退職金も含まれます。
ご主人の定年退職まで10年以上ありますので、この期間が長いか短いかは恵子さんの感じ方次第ですが、定年の日まで半別居状態で乗り切るのも一つの方法であることを申し上げておきます。

 

離婚調停ではなく、夫婦の話し合いによる協議離婚となった場合は、養育費等の決めた事を公証人役場に出向いて執行認諾約款付き公正証書を作成しておくと良いでしょう。

 

それでもY美様の今後の生活を考えると、仕事に就くなり、収入確保の道を探す必要があるといえます。
今からでも手に職をつけるための勉強を始めたり、実際にパートでもいいので仕事をなさることをおすすめします。
離婚に向けての行動は、当座の生活費としての貯金ができるか、ある程度の収入の目処がついてからでも遅くありません。

 

尚、離婚してもお子様たちとご主人の親子関係は続きます。
将来子供が父親の面倒を見るかどうかは子供の意志を尊重して下さい。
子供たちとご主人が断絶しても、あなたに責任はありません。

 

病気のご主人を薄情にも見捨てるのでは、という罪悪感をお持ちかもしれませんが、Y美様はすでに充分すぎるほど家族のために闘ってこられました。

 

これからはご自身の幸せを第一に健やかにお過ごし下さい。


★★ 離婚調停中の男性PPさんからのご相談です ★★

 

奥様との関係が険悪になり、奥様の挑発に乗るような形で手を出してしまったPPさん。
奥様はDV(ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力)を受けたと警察に保護を求め、子供を連れて家を出て行ってしまった。
離婚調停では、奥様は離婚と子供の親権を主張。
もともと奥様が家計管理をしていたが、国民保険料や各種料金など滞納や未払いが原因で夫婦喧嘩になることも。
PPさんにとっては奥様からの態度や言葉での侮辱の末の手出し(暴力)にもかかわらず、一方的にDV加害者の扱いを受け、別居後には奥様の借金も発覚し、「どちらが被害者なのか」と憤りを感じている。

 

 

◆◆◆ いしだたかこからのアドバイスです ◆◆◆

 

PPさんの悔しい気持ちがよく伝わってまいりました。
しかし、ここは夫婦問題・離婚カウンセラーとして感じたことを「女性の観点」から述べさせていただきます。

 

PPさんご夫婦の性格や行動の善悪は一旦、脇に置いて考えます。
すると見えてくることは、まず奥様は結婚生活を続けるつもりはないということです。

 

お話をお伺いした限りでは、以前からその考え(離婚)はあったと思います。
そして、自分に有利に離婚が運ぶように、DV法を利用なさったのではないでしょうか。

 

もしDV法で奥様が保護されなかったとしても、奥様は別の方法でPPさんを悪者に仕立てて離婚話しを持ち出していたと思われます。
奥様には離婚後の生活の計画がすでに出来ているのでしょう。

 

保険料の滞納や借金などについては、PPさんご夫婦の家計状況がわかりませんのでなんともいえませんが、PPさんの収入の範囲内でのやりくりが難しかったのか、奥様が単なる浪費家であったのかは、人によって判断が分かれるところです。
ただ、奥様が個人的な消費目的で借りた奥様名義の借金であれば、夫婦であってもPPさんが払う必要はありません。

 

名誉の挽回(DV加害者という冤罪を晴らす)なのか、子供(親権)なのか、離婚回避なのか、ご自身のなかで問題点に優先順位をつけて整理してみて下さい。

 

もしPPさんがお子様の親権を取りたいと願っていらっしゃるのなら、調停の場で以下の3点を粘り強く主張なさることをおすすめします。

 

① 奥様の金銭感覚のルーズさを示す客観的資料を提示する
(いつ、どの支払いを、いくら滞納したのかがわかるもの、メモでもかまいません)

 

② 生活費を稼ぐ能力がPPさんにあることと、仕事中の子供の面倒を見る人(親きょうだいなど)が身近にいることを訴える

 

③ 子供に対して手を上げたことがないことを主張する

 

調停が不調に終われば次は裁判ですが、このケースの場合は争点を親権だけに的を絞ったほうがいいかもしれませんね。
奥様の離婚の意志は固く、また金銭的な充当を奥様に求めても不可能だと思います。

 

それでも子供の年齢によっても親権が母親に決まることは多いのが実情です。
子供の健やかな成長のためには、PPさんが養育する方が望ましいということを、あきらめずに交渉してみて下さい。

最後は根気比べになってくると思います。

 

出口のないトンネルはありません。

 

解決の日が訪れることを祈っております。


僕はとても恵まれていて、幸せなんだと思います。
世の中は不景気が続いていますが、おかげさまで僕の仕事は順調です。


数年前に脱サラして会社を興したのですが、取引先にも恵まれ、先日も大きなプロジェクトを成功させたところです。
従業員もいるので、トラブルがなければ時間の余裕はたっぷりあります。
だから、脚の悪い老親の世話も僕がしてるんです。ご飯作ったり、病院に連れていったりね。
僕を大きくしてくれたのはやはり両親ですから、親孝行ができることを有り難く思ってます。


趣味はロハスな生活ってやつですかね、自然環境に恵まれた場所でひとりボーっとしたり、たまに俳句を作ることもありますよ。上手くはないですけどね。(笑)

 

妻とは恋愛結婚です。
女房はね、僕が言うのもなんなんですが、しっかり者で美人だと思います。結婚するときはライバルがいて、僕が最終的に勝利したようなもんです。女房はキャリアウーマンで、僕とは別に仕事に就いて、今は管理職になってます。定年まで頑張るって言ってますよ。
子供は一人、もうすぐ大学卒業です。親の役割ももろそろフィニッシュですね。

 

ホント、僕は恵まれていて運も強いほうだと思います。
でもね、満足していないんですよ、結婚生活に。
夫婦の仲は悪くありません。女房はちゃんと仕事をして、家族にも目を向けている。悪い妻じゃありません。

 

でもね、僕の望む日常生活というのは、違うんです。
朝、窓を開けたら太陽の日差しと新鮮な空気を部屋に取り入れ、すがすがしい気持ちで一日を迎える。
ごはんは食事の都度ちゃんとお米を炊いて、味噌汁は丁寧に出汁をとる。
ごちそうじゃなくてもいいんです。
しかし実際は女房も仕事をしているので、どうしても食事には手間隙かけていられません。掃除だって毎日というわけにはいきません。
もちろん、僕もできる限りの家事はしてますけどね。

 

結婚してたら、そんな些細な希望もかなえ難いのかなって、虚しくなるんですよ。
子供が大学に入ったとき、女房に離婚を切り出して見たんですよ。
でも女房は離婚する気はまったくないようで、とりあってくれませんでした。
わかってはいるんです、僕の一方的なワガママだってことは。女房に悪いところはありませんから。

僕はこれからどうしていったらいいのかなあ・・・・。


えっ、仕事ですか?
はい、僕は確かにいしだ先生の言うとおり目標に向って突っ走ってるときが一番充実感に満たされます。
う〜ん、そうか、確かに仕事がひと段落して気が抜けちゃったのかもしれないなぁ。


え?具体的な次のプロジェクトじゃなくて、ビジネス上の新しい課題を作るんですか。
あ〜、あ、なんか見えてきました、僕。
そうだ、近々業務提携の話しがあるんですよ、人材育成と社会貢献の時期に来てるのかもしれない。
以前からアイディアもあって、やってみたかったことでもあるんです。
どこまでできるかわからないけれど、着手してみます。


女房との離婚のことは、またゆっくり考えることにします。
本日はありがとうございました。


40歳代のY男さんは妻と恋愛結婚して10年ちょっと。
子供にも恵まれ、マイホームも手にいれました。


ある日、妻から突然離婚して欲しいと言われました。

 

Y男さんは真面目なサラリーマンで浮気、借金、暴力とは無縁の生活ぶりです。
Y男さんが妻に理由をただしても、「離婚して人生をリセットしたい」というばかり。
慰謝料も、財産も何も要らないから離婚して欲しい、と妻。

 

このように理由もなく突然離婚を切り出す場合、浮気相手が隠れていることが多いのです。
Y男さんはマサカ!思いましたが、浮気の線を探ることにしました。
妻の携帯をこっそり見てみると、はたしてY男さんが知らない電話番後が登録してあります。
そして、夫であるY男さんよりはるかに頻繁に通話している形跡が残っていました。

 

知人女性に依頼して、間違い電話のふりをしてその電話番号に架けてみました。
電話番号の相手はやはり男性でした。
知人女性が上手に演技をしたので、苗字を聞き出すこともできました。

 

Y男さんはとてもショックでした。
Y男さんはその男性と面識はありませんが、その名前は時折妻との会話に出てくる人物です。
妻に問いただすと、妻は開き直って浮気を認めました。
そして、離婚が決定的なものになりました。

 

この妻の場合は、浮気の証拠対策を殆どしていません。
罪悪感が薄いのでしょうか、Y男さんとの結婚生活にすっかり見切りをつけていたのでしょうか。
人の携帯電話を勝手に見るのは確かに「プライバシーの侵害」と言われるでしょう。
しかしこのようにパートナーが浮気していた場合、やはり浮気の方が有責度は高いです。
パートナーに浮気の疑惑があれば、悩んでいないで自分で調べるのは有効な方法といえます。
ただし、証拠をつかんだ後、自分はどうしたいのかという覚悟も必要です。


★★ 恋愛結婚して5年目の女性、L子さんからのご相談 ★★

 

年下で会社員の夫(20代)と、L子さん(30代)の二人暮らし。子供ができたらL子さんはパートの仕事を辞める予定。
将来マイホームも持ちたいが、夫との金銭感覚の違いが目下の悩み。

 

夫は生活費として必要な分をL子さんに渡しているが、貯金をしようとしない。
夫の実家が借金の返済で問題を抱えたことをきっかけに、貯金を決意。しかし相変わらず貯金する気配なし。
なぜ?と問い詰めると、「車(仕事用)を買い換える予定もあるし、貯金もなんて無理!」と逆ギレ。

 

未だに貯金ができていない状態が不安になったL子さんはいっそ離婚して堅実な生活をと思う。
だが、今後経済的に自立できるのか、また今後再婚できるのか自信がない。
どうしたらよいか途方にくれている。

 

 

◆◆◆ いしだたかこのアドバイス ◆◆◆

 

L子さん、お忙しい中メール相談をいただきまして、ありがとうございます。
貯蓄のことでご主人と意見が合わず、お焦りになる気持ちがよく伝わってまいりました。

 

世の中の夫は妻の収入に関係なく、給料をすべて妻に渡して妻に家計管理を任せるタイプと、必要な生活費だけを妻に渡して自分で家計を把握するタイプに大別できるようです。
ご主人はおそらく後者だと思います。

 

L子さんが堅実に貯蓄をして将来に備えようとしているのに対して、ご主人は貯金を優先するより、日々の生活を充実させたいとのお考えかもしれません。
不測の事態に備えて貯蓄に励むアリ型ではなく、今生きていることを楽しむキリギリス型といったところでしょうか。


ご主人はもともと貯金の習慣を家庭の中で身につけてこられなかったのかもしれませんね。
ただ、ご両親の借金問題を目の当たりにして、貯蓄の重要性は認識しておられるようです。
これから貯金体質に改善できる余地はありそうです。

 

ところでL子さんは貯蓄の目標額を決めていらっしゃるのでしょうか。

 

L子さんの貯蓄プランは、貯金の習慣のないご主人からしてみればウォーミングアップなしでいきなりフルマラソンに挑戦するようなものかもしれませんよ。
まずは月に1〜2万円くらいの少額で、給与天引きなどを利用して強制的に貯金する方法から始めてみてはいかがでしょうか。
時間はかかりますが、着実に貯めるられます。
一方、月々の余ったお金を貯金に回すのは金額も不安定で継続しにくいので、自動車や耐久消費財の購入や旅行といった、具体的な目的のための一時プール金と割り切った方がいいかもしれません。

 

ご主人は家事にも協力的で普段は仲が良いとのこと、まず問題のない夫婦です。

 

貯金は多いに越したことはありませんが、ご主人の収入も安定しておりちゃんと生活していらっしゃるので、貯金のために生活の楽しみやゆとりを犠牲にする必要はないですよ。


最初、Y子さん(40代後半)が尋ねて来られたときは、ため息まじりで、暗い表情でした。


長男は大学を卒業して遠方に就職、勤務する会社で重役のご主人と、専門学校生の長女との3人暮らし。
会社ではデキるビジネスマンのご主人も、家ではかなりの暴君。特に妻であるY子さんに対しては、言葉の暴力、態度の暴力、そして実際に手を上げることも多いそう。

 

Y子さんは、本来外で仕事をしていたかったのですが、ご主人の希望で長く専業主婦でした。ずっと自分の気持ちを押しとどめ、我慢してきたため、心療内科に通っていました。

 

「お母さん!もう十分お父さんに我慢してきたんだから、好きにしてもいいよ!」

 

ある日長女からの力強い励ましで、自分の世界を取り戻す決意をしました。
働くことが好き、仕事をみつけよう!と。
ハローワーク通いが始まりました。勉強熱心なY子さんは販売職の資格に挑戦するとこにしました。
とにかく社会に出たかったY子さんは、待遇にこだわらず、パートタイムで個人商店に通うことにしました。

 

ここからY子さんの人生は好転していきます。

 

資格に合格した頃、別のショップから引き抜きの声がかかりました。
新しい職場で頼りにされて働き、仕事が楽しくて仕方ありません。
自分に自信を取り戻したY子さんは、思い切って離婚届をご主人に突きつけました。
ご主人は離婚に同意しました。
でも、今も同じ家にご主人と長女と3人で暮らしています。
ご主人の暴力は止みました。
Y子さんが家を出ようと思えばいつでもできます。
Y子さんは自信を取り戻したのと同時に、自由と尊厳も手に入れたのです。もちろん収入も。

 

Y子さんは以前とは見違えるほど明るく変わりました。白い歯を見せて笑うY子さんはとてもチャーミングです。
離婚はしたものの、きっとご主人はY子さんを手放せないでしょう。
でももうY子さんは大丈夫。

 

離婚で全ては解決しないけれど、自分で決意をし、行動することで人生を変えていくことができるのです。
自分が変わることで、相手や状況を変えてしまったY子さんを見て、いしだたかこは女性のしなやかな強さを改めて認識しました。

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