拝啓
結婚生活に戸惑っていらっしゃるあなたへ。
あなたは幸せ者です。
思い通りにいくことばかりとは限らない世の中ですが、私心を捨ててあなたの幸せを願ってくれるお母様がいらっしゃいます。
子どもの頃からあなたはお母様に何でも相談し、あなたの喜びはお母様の喜びとして、あなたの悲しみはお母様の悲しみとして、強い絆で結ばれてきた母娘でしたね。
今あなたは結婚生活を辛く感じています。
あなたは誰にも言えない苦悩をお母様だけには話すことができます。
お母様の優しさはあなたの心を包み込み、支えてくれています。
でもあなたが今向き合う相手は慰めてくれるお母様ではなく、夫なのです。
これはあなたがた母娘の問題ではなく、あなたと夫の夫婦の問題なのです。
当事者のペアが異なるのですから、ご両親とあなたがたでは結婚の生活様式も価値観も違うのは当然です。
お母様の考え方はお父様に対しては有効でも、あなたの夫に対して有効とは限りません。
お母様の価値観を(たとえそれがあなたの価値観と同一であったとしても!)あなたの夫に伝えても、彼は耳を傾けないでしょう。
彼の目にはお母様の影響を強く受けたあなたは、親の操り人形にように見えるだけです。
彼にとってあなたのお母様は部外者でしかないのですから。
だからあなたは夫と一対一でしっかり向き合わなければなりません。
もちろん、身の危険を感じるようであればそれなりの対策は必要です。
あなたはまず「自分の幸せ」が何であるかに気がつかねばなりません。
それがお母様の受け売りや「お母様が願う娘(あなた)の幸せ」ではいけません。
あなたの求める幸せが、お母様の価値観を否定したり、寂しい思いをさせることになるかもしれません。
でもあなたは結婚して、人生の伴侶を得た人です。
あなたのお母様がかつてお父様という伴侶を得たように。
あなたの伴侶はお母様ではありません。
あなたと夫が苦楽を乗り越えて、助け合って生きていくことが最大の親孝行である事を忘れないで下さい。
ホンの少しだけ、お母様との距離を取りましょう。
その分だけ夫との距離が縮まりますから。
あまりに辛いことはお母様ではなく、カウンセラーのいしだにお話し下さい。
お母様を心配させずに済みますよ。
あなたならできるはずです。
応援しています。
敬具