拝啓
離婚に悩む親友を前にして、なんとか助けになりたいと思う心優しいあなたへ。
親友の悩みを黙って聞いてあげて下さい。
決してアドバイスをしたり励ましたりしないで下さい。
励ますつもりで「私だったらこうするよ」とか、「元気出して、頑張れ」と声をかけることは、当事者じゃないから言えることなのです。
同情と友情は違います。
そしてあなたと親友の置かれた立場も考え方も違います。
本当はどうしたらいいかは、あなたの親友は理解しているのです。
でも、気持ちがついていかないのです。
気持ちの整理をつけるのには時間がかかります。
また考えも迷走して、振り子が右にぶれたり左にぶれたりするように定まりません。
昨日は離婚すると言ったかと思えば、今日は絶対に離婚しないと言う・・・・その繰り返しです。
それが「心を決める」ための大切なプロセスなのです。
根気よく親友の声に耳を傾けてあげて下さい。
大切な親友の悩みを聞き続けることはあなたにとっても辛いことでしょう。
いつも笑顔だった親友の、苦悩に満ちた表情を見るのはとても切ないことと思います。
誰もが苦しみから早く解放されたいと願うものですが、解決のない解放では意味がありません。
親友の悩みとそれを聞くあなたの辛さを解消する為に、決断を急がせてはいけません。
もしあなたが親友の悩みを聞き続けることが辛くて耐えられなくなったら、それ以上悩みを聞いてはいけません。
自分ができないことを引き受けてはいけないのです。
親友の悩みが迷走しないためにも。
今後の友情が壊れないためにも。
そばにいてあげることが、あなたにしかできないことです。
敬具