施行は2026年の予定であり、近いうちに国会で成立する見通しのようです。
この件についてマスコミの論調は「DV被害者にとって共同親権は不利益でしかない」という報道が目立ちます。
さてこれらの報道に客観性はあるのでしょうか。
裁判所の司法統計(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/253/012253.pdf)によると、令和2年度の離婚申立の動機(離婚の理由)は以下のようになっています。
男性からの申し立て
一位 性格が合わない
二位/実質一位 精神的に虐待する(モラハラ)
三位/実質二位 異性関係(不倫)
四位/実質三位 家族親族と折り合いが悪い(嫁姑問題)
女性からの申し立て
一位 性格が合わない
二位/実質一位 生活費を渡さない
三位/実質二位 精神的に虐待する(モラハラ)
四位/実質三位 暴力をふるう(身体的暴力)
上記統計は3項目まで重複回答を集計したものなので、男女とも一位の「性格が合わない」のは全ての理由を兼ねています。
であれば一位の理由は一旦脇に置いて、実際には二位の理由が実質一位だと考えられます。
となると、女性からの申し立てでDVが原因で離婚するケースは実質二~三位であり、離婚に際して一番問題視しないといけないのはDV被害よりも経済救済ではないかと推測できます。
近年では身体的暴力よりモラハラに代表される精神的虐待が多くなっています。
モラハラは男女ともに二位、三位と上位にあり、男性側からの申し立てでは実質一位です。
メディアに登場する「当事者」の殆どが女性であることも公平とはいえず、穿った見方をすればマスコミの印象操作かな?と思ってしまいます。
離婚はすべてDVが原因であり、被害者は常に妻(女性)であることが強調された構図の報道が殆どのように見受けられます。
ちなみに上記司法統計は「家庭裁判所に離婚調停を申し立てた人」の割合であり、上記数字の背後には何倍もの夫婦が家裁を通さずに協議による離婚をしています。
実際、DV被害者にとって云々と報じているメディアも「とはいうものの、大半のカップルは話し合いで離婚しています」と現実を語っているので、単にセンセーショナルな話題にしたいだけのマッチポンプ記事ですか?と言いたくなります。
先に連れ去った方がなし崩し的に親権を得ることがあること、経済基盤や養育のサポート体制の有無に関係なく母親が親権を得ることに偏向が見られることは問題ではないでしょうか。
離婚後の子の親権は「単独/父か母どちらか一方のみ」が良いのか「共同/離婚後も父と母がともに責任を負う」が良いのでしょうか。
100通りの夫婦がいれば100通りの最適解があるので、一概には是非を語れる問題ではないことは確かです。
ただ離婚にはお互い合意しているけれど、子を手放したくなくて問題が片付かないカップルも多くいます。
そういう人たちにとっては共同親権というのは解決策の一つになり得ると思います。
何事も完ぺきな法律は無いかもしれませんが、じっくり国会で検討していって欲しいと思います。
]]>