図書館員から「かなり古い本ですので、汚れなどの不具合があるかもしれません」と注意を受けて借りた本です。
昭和37年(1962年)初版発行の『生命の實相』。
著者は谷口雅治という方で、とある宗教法人の聖典とされていたものだそうです。
哲学的かつ自己啓発的な内容の本で、当時からベストセラーだったようです。
ソフトカバーで布張りですが、色あせていて元の色は不明です。
教義としての内容はともかく、いしだたかこは文章表現に魅力を感じました。
「である。」調のストイックな文体にも関わらず、明快でリズミカルな文章が心地よいのです。
文章からはこの時代を感じさせる雰囲気がにじみ出ており、文体の古さが却って格調高く思えて新鮮に感じます。
作文テクニックはマネしたいものです。
旧仮名遣いで執筆された昭和初期の本などは読みづらいのですが、もしかしたら数十年後には、この本も古文書のように読むのにコツがいるようになってしまうのかしら。
そうならないためにも、読めるうちに古い本を読んでおくのは貴重なことかもしれません。
書物は知識のタイムカプセルで、まさに温故知新の最たるものです。
↑ 貸し出し記録を見ると、昭和時代の日付けは元号ですが、平成から西暦表記になっています。
また聞きですが、図書館の本は借りる人がいなくなって一定期間が経つと処分されるとか。
読み継がれていくということは、とても大切なことなのですね。