DV、ドメスティック・バイオレンス。
この言葉を知らない人はいないでしょう。
では私たちはどこまでDVについて理解しているでしょうか。
平成22年度の警察庁の資料によると、配偶者間における犯罪被害者の男女比は90%以上が女性です。
また平成20年の内閣男女共同参画局による「男女間における暴力に関する調査によると、約25%(4人に一人)がDVの被害を受けたことがあるそうです。
女性だけのデータで見ると、身体的なDVの被害者は女性の4人に一人、精神的なDVの被害者は6人に一人、さらにそのうちの7人に一人が命の危険を感じたことがあるそうです。
このことから導き出される結論は、
1、DVはとても身近に存在しているということ
2、しかしその一方で、DVの被害に全く遭っていない人が75%いるので、被害者の苦しみを理解できる人が多くないという現実
ということになるでしょう。
DV被害者は自分が被害者であることに気がついていない人もいます。
もし自分または身近な人が、家庭内で生きづらさを感じていたら、DVも疑ってみて下さい。
DVの怖さは最悪は命を奪われてしまう(被害者が思い余って加害者を殺してしまう事件もあります)こともそうですが、個人の人格が否定され、尊厳を侵害されることで心が踏み潰されてしまうことです。
では何がDVにあたるかというと、その定義は下記のとおりです。
(1)身体的暴力 殴る、蹴る、髪の毛を引っ張る、物を投げつける
(2)精神的暴力 ののしる、暴言を吐く、脅す、無視する、家に入れない
(3)性的暴力 性行為を強要する、避妊に協力しない
(4)社会的隔離 自由に外出させない、付き合いを制限する、携帯やスマホをチェックする
(5)経済的暴力 生活費を渡さない、金銭的な自由を与えない
などです。
基本的には、アカの他人にしたら許されないことは、夫婦間であっても同様に許されないことなのです。
暴力はもちろん、プライバシーや人権の侵害はれっきとした犯罪行為です。
「お前が殴らせるようなことを言う(する)からだ」「分からせる為に殴った」という理由は成り立たないのです。
最近は陰湿なイジメに近い「見えない暴力」も増えてきています。
家庭のことを人に話すのが恥ずかしいと思わずに、「もしかして…」と思ったら、身近な人に相談してみましょう。