離婚に関するお問合せや、ご相談事例をわかりやすくまとめてあります。
なお、文中の登場人物の名前、年齢、職業は事実とは異なります。
熟年離婚とは15年以上連れ添った夫婦が、夫の定年などをきっかけに、本格的な老後を迎える前に離婚するというのが大方のイメージだと思います。
「夫が一日中家にいるようになって、気が休まるヒマがありません」
「夫が家にいることを望むので、友人との外出ができなくなりました」
「近所への買い物はもとより、どこへ行くにも夫が一緒についてくるので束縛されているようです」
「夫が掃除や洗濯についてこまごまと口を出してくる(でも手は貸さない)ので、閉口しています」
長い夫婦生活の中で、多少の不満やトラブルはあっても乗り越えてきた夫婦です。
夫は仕事ぶりも真面目で、尊敬すべき人格の持ち主である方がほとんどです。
そして妻はちゃんと家庭を支えて来られた忍耐強い方です。
その理想的な夫婦が、なぜ夫の定年や夫の失職がきっかけで離婚の危機を迎えるのか。
収入など、経済的なことが問題なのではありません。
長年当たり前に暮らしていたので、夫婦それぞれの生活スタイルが違っていることに気がついていないことが問題なのです。
普段自宅にいることが少ない夫が日常的に自宅にいることで、妻のプライバシーに過干渉しているのです。
もともと真面目な夫は、仕事に向けていた情熱を家庭生活に向けるようになって、妻の創り上げてきた生活リズムを乱しているのです。
もともとうまくやってこられた夫婦なので、問題を離婚で解決するには失う物があまりにも多すぎます。
夫がもてあましている時間や情熱を、再就職や趣味・地域社会活動などへソフトランディングできるよう、妻の手助けが必要かもしれません。
そして、妻は上手に自分の時間を見つけていくようにして下さいね。
ただし、上記のように再生できる夫婦ばかりとは限りません。
夫婦のどちらかが長年一方的に我慢してきたのであれば、夫の定年などを期に「人生のやり直し」を望むかもしれません。
それにつてはまた改めて掘り下げたいと思います。