2013年3月28日付けで最高裁において、別居した子供との面会について「間接強制」の対象となるかどうかの初判断が下されました。
ちょっと分かりにくい表現ですが、要は、子供の親権を取った方の親(今回のケースは母親)が、子供を離れて暮らす方の親(=父親)に面会させることを拒否するのであれば、5万円を父親側に支払うよう裁判所が命じた、ということです。
もともと離婚理由がなんであれ、夫婦関係は消滅しても親子関係は継続するので、離れて暮らす親は子供に会う権利があります。一緒に暮らすほうの親が心情的に「会わせたくない」と思っても、それは大人の都合であって、子供が離れて暮らす親に会う権利を阻んではいけないというのは従来からの考え方です。
今回のケースは家庭裁判所の調停で、離れて暮らす父親と子供の面会方法を取り決めて母親側に面会させるように命じたのに、母親が従わなかったため最高裁での判断ということになったようです。
父親に会わせなかったら何でもかんでも金銭の支払い義務が生じるというものではありませんが、離婚して親権を取るほうの親は、「子供の利益を損なわない」ということをしっかり胸に刻んでおいて頂きたいと思います。
ちなみに「子供が面会を拒否している」というのは「間接強制を妨げるものではない」とされましたので、面会をさせない理由には当たらないようです。
離婚しても、もと配偶者の悪口を子供に言わないようにして、子供の親に対する信頼感を傷つけない配慮が欲しいところです。
その一方で、離れて暮らす親がDV(家庭内暴力)や連れ去りの可能性などで、子供に会わせる事が子供のためにならない場合は、しっかり主張しておくことは重要です。