M美さん(50歳代 女性)からのご相談
夫のDV(家庭内暴力)が原因で、10年前に当時小学生の一人息子を連れて家を出ました。
夫と別居後、必死に仕事をして生活費を稼ぎ、息子を大学に行かせることができました。
ところが先日、突然夫から離婚届が郵送されて来たのです。
離婚届には夫や証人の署名があり、あとは自分が署名して役場に提出するだけになっています。
それを見たとたん、悔しい思い出とともに、怒りがこみ上げて来ました。
そもそも夫側に原因があって別居になったのに、夫から離婚を要求するのは自分勝手すぎる。
こんなことは認められるのでしょうか。
せめて夫から慰謝料なり、なにがしかの誠意を見せて欲しいのです。
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M美さんの悔しい気持ちは十分に理解できます。
また、これまでの子供を抱えての生活のご苦労は並大抵のものではなかったと察します。
しかし夫婦関係が破綻してそれぞれが独立した生活を営んでいる現状では、戸籍上だけの婚姻関係にあるのは双方にとって意味がありません。
子供も大きく成長したので、子供のために夫婦でいる必要もありません。
きちんと婚姻関係を解消し、それぞれの人生を歩んでいくことをお勧めします。
原因が夫のDVなので離婚の代償としての誠意をとのことですが、残念ながら期待できません。
今となってはDVの立証も難しく、またM美さん自身が経済的に困窮していたり、不利益を被っている状態にありません。
離婚届をつきつけられた今になって慰謝料云々というのは、第三者から見れば「報復的な嫌がらせ」となるでしょう。慰謝料を要求するなら、なぜ今までしなかったのですか、手遅れですよということです。
別居して10年も経てば、共有する財産や資産も残っていないでしょうから、財産分与など金銭的に話し合うこともないと思います。
家庭裁判所での離婚調停にでもなれば、ご主人の言い分(=離婚)がすんなり認められるでしょう。
過去に後戻りすることはできませんが、子供も大きくなった今、M美さんはこれから一人の女性として生きていく時間があります。
経済的にも自立した大人の女性として、恋に仕事に生きがいに、自分の人生をエンジョイしていくことで今までの苦労が報われると思います。
離婚を未来に進むひとつのステップにして下さい。
悔しい思いは、M美さんが今後幸せな人生を送るためのバネにして下さい。
そして幸せに生きることでご主人を見返して下さい。
応援しています。