飲酒代やつきあいに収入の多くを遣ってしまう・・・
借金してまでお酒を飲む・・・
酒を飲んで暴力をふるう・・・
酒癖が悪く、家族以外の人にも迷惑をかける、犯罪行為をしてしまう・・・
深酒が日常的で、仕事にも支障をきたすことがある・・・
勤務中にもお酒を飲む・・・
こんな症状に心当たりのある方は、一度アルコール依存症を疑ってみて下さい。
アルコール依存症は薬物依存症の一種で、身体的な症状の有無に関わらない精神疾患です。
自分で飲酒の機会、行動、飲酒量をコントロールできなくなって健康を損なうだけでなく、周囲への迷惑行為、事故や問題行動に及びます。
そして社会的信用を失います。
症状の進行に伴って飲酒量も増えますが、個人差があるので、飲酒量だけで判断はできません。
また困ったことに、本人や周囲にアルコール依存症の自覚がないことがほとんどです。
アルコール依存症とDV(ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力)が併発しているケースも少なくありません。
アルコール依存症は、「お酒が好きだから」「意志が弱いから」発症するのではありません。
誰もが発症する可能性があり、そして一旦依存症になれば、多くの人を巻き込んで不幸にします。
怖い話ですが、適切な対処(断酒)をしなければ、内臓疾患、精神ストレスによる事故・自死などで命を失う確率がとても高いのです。
アルコール依存症の方は10年のうちの致死率は30〜40%にも達するといわれています。
治療は断酒以外にはありませんが、すべてのアルコールが断酒の対象になりますので、料理や菓子に使われるアルコールも含まれます。
仕事上接待をしなければならない方は仕事を変える必要性も出てきます。
もちろん宴会での「乾杯」もご法度ですから、結婚式などの出席も見合わせることになります。
もともとお酒が好きな方が、自分だけ飲めない状況は耐えがたいでしょう。
ですから治療生活に入ると、これまでの食生活はもとより、ライフスタイル、交友関係までが一変することになります。
それでも根本的な治療法はなく、目下のところ抗酒剤の服用による飲酒回避、断酒会などの自助グループによる精神的なサポートなどが主流です。
地元の保健所や、地自体の精神保健福祉センターなどでは「アルコール依存症相談」または「酒害相談」を無料で行うほか、専門の病院の紹介をしてくれるところもあります。
肝心なのは当事者たけで問題を抱え込まないことです。
本人の自覚と治療に対する意欲、そして周囲の協力がなければ継続が難しい病気です。